2018-07-13

季節一品料理「藤原」さんへ行ってきました

こんにちは。「2no HOSTEL」中の人、管理人のれいこです。
宿屋をやっていると、この辺でお薦めのお店ってどこですか?ってよく聞かれます。だいたいその日の気分で答えているのですが、それって単に私の食べたいもんやん。真面目にやらないとってことでお客様のニーズにさささっとお応えできるよう、記事にまとめる事にしました。実際にお店へ伺って、食べて飲んで来ます。神戸散策の参考にして頂けたら嬉しいです。

記念すべき第一回は、季節一品料理「藤原」さんです。

藤原さんとのお付き合いは、当宿の主人ゼンケが二宮で商売を始めた頃からになります。その頃のゼンケは2noの系列バー、さくらデザイン事務所(現さくらバー)でバーテンダーをしていました。はじめて自分の店を構えた二宮の街をぺたぺたと徘徊している時に、藤原さんのお店を発見。そして直感的に思ったそうです。

「この店、絶対美味い」

そうして暖簾をくぐるようになってから、17年。いつもお客様に「ゼンちゃんは俺の息子や」と紹介してくださり、ゼンケも「二宮のおとうさん」と呼ばせていただいております。以前愛媛から来た両親をお店へ連れて行った時にはゼンケ父に「わしは、この子にあんたより父親らしいことしたってるで!」と言われてしまい、親子で苦笑したそうです。

さてそんなおとうさんのお店。
2no PARKのある琴ノ緒公園から東へ徒歩約30m。この看板が目印です。

我々がお店へ伺ったのは7月6日。そう、西日本が大変な豪雨に見舞われた日です。神戸でもたくさんのお店が営業を断念する中、いつもどおり軒先に暖簾をかけるおとうさんの姿を見つけました。ここぞとばかりに突撃します。普段の藤原さんは16時の開店とともに予約のお客様でいっぱいで、予約なしに入る事は地元の人間でも難しいのです。

一番乗り。まだ誰もいない店内。

カウンターには煮物がずらり。どれにするか迷います。奥の女性はおかあさん。

お約束ですが、とりあえずビール。サッポロ赤星。

メニューはこんな感じ。なに食べよう。

ビールをひっかけながら、そろそろ頼もうかなと思っていたら、
「にしん食べるやろ」と、おとうさん。

たべます。

にしんときくらげの煮物。写真は照りがすごくてわかりにくいですが右の黒いのがきくらげ。ビールが進みます。

どんどん飲む。次は何にしようかな。

「ハモうまいで!」またもやおとうさん。

たべます。

鱧とタコの湯引き。梅肉とすみそで。
もくもくと食べていたら、常連さんで店内が賑わってきました。

「今日やったら予約なしでも行ける思てー」
「今日は狙い目やろー」

皆さん考える事は一緒。外は本当にすごい雨。こんな事は初めてですね〜ってお客さんと話していたら、

「50年前の水害がこんなんやったわ。あん時の降りかたと全く一緒や」とおとうさん。

50年前!貴重なお話をしてくれるおとうさん。

昔の神戸のお話。イチロー選手のエピソード。たくさんお話を聞きながら、どんどん飲みます。
仕事をするのが面倒臭くなってきました。いや、これも仕事のうち。

そして、ハイボール。ちょっと酔ったのか手ブレが。

アテに煮物を。どれにするか選べないので盛り合わせにしましたよ。
ずいき、小芋、たけのこ、ごぼうに高野豆腐。

つづいて鯖と鯛のきずしを頼みました。きずしで鯛ってめずらしい。

どんどん強くなる雨足。だらだら飲んでいたらカウンター全員にふきの葉の山椒煮を出して貰えました。

お代わりしようとしたところで、2no予約電話にお客様が到着されたとの連絡が。そうだ私は仕事中だった。という訳でこの日はここで退散です。

藤原さん、ごちそうさまでした。

先にも書きましたが、予約なしでは入れないことが多いです。しかし、この店を語らずして二宮は語れない我々にとっても特別なお店なのでご紹介させていただきました。気になる方は空席を問い合わせますのでフロントにてご相談ください。あわよくば我々もお供して一杯ひっかけるかもしれません。

 

余談ですが藤原さんの看板、うちで作らせていただきました。実は、普段は宿屋の他にデザイン業などもやっております。店名の書はゼンケが担当。おとうさんへの恩返しになったかな。

関連記事